(1) 伝統的構法を公開実験 − 柱脚の滑りが免震の役割
3月に実験結果を報告
伝統的構法木造建築物(2階建て)の耐震性能検証、特に柱脚の滑りの発生条件、滑り量を検証し、柱脚と礎石との摩擦、上部構造物の耐力などの関係を明らかにする実物大振動台公開実験が1月20日に兵庫県三木市のE―ディフェンスで行われました。
実験では地震波の方向性などによってやや歪みもみられたものの、伝統的構法での柱脚の滑りが免震の役割を果たしていることがうかがえました。
伝統的構法による木造建築物は多数実在して、その耐震性を実証はしているものの、科学的データとして構造力学的に未解明な部分が多く、耐震性能などの把握の難しさ、設計法が確立されていないために、確認申請の受付や工事の着工が著しく減少しているのが実情です。
NPO法人緑の列島ネットワークが国交省の補助事業により組織した「伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験検討委員会」のもとに独立行政法人防災科学技術研究所との共同研究として加震実験を行ないました。
実験データを解析して、伝統的構法の設計法や構造計算の簡略化を構築する予定です。
(2011年2月2日 林業新聞社記事より抜粋)
(2) 水源林買収でプロジェクトチーム − 民主党 外国企業取得規制へ
民主党は1月20日、外国企業による日本国内の水源林の買収が進んでいる実態を受け、「外国人による土地取得に関するプロジェクトチーム」を発足させました。
(2011年2月2日 林業新聞社記事より抜粋)
(3) 現在の耐震基準に適合しない住宅が89%、平均工事金額は約148万円
平成18年4月1日〜平成22年11月30日の耐震診断結果
(耐震診断対象家屋:昭和25年〜平成12年5月までに着工された
木造在来工法2階建て以下の建物 11,121件
評点 |
|
割合 |
平均築年数 |
1.5以上 |
倒壊しない |
1.6% |
14.4年 |
1.0〜1.5未満 |
一応倒壊しない |
9.0% |
19.5年 |
0.7〜1.0未満 |
倒壊する可能性がある |
20.9% |
24.4年 |
0.7未満 |
倒壊する可能性が高い |
68.6% |
31.30.0年 |
(2011年2月2日 林業新聞社記事より抜粋)
(4) 「木造3階建て校舎」建設で
国交省が実大火災実験
国土交通省は23年度予算で、木造3階建て校舎の建設を可能にするため、実大火災実験を行い、安全性を検証した上で法改正に向け検討を行なっていくことを明らかにしました。
(2011年2月2日 林業新聞社記事より抜粋)
(5) 3月まで耐震受診活動 − 補強プランを無料作成
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合は、1月17日から3月31日までの期間、全国で500万世帯に耐震診断の受診を促す広報物を配布し、耐震診断の受診促進活動を行います。
(2011年2月2日 林業新聞社記事より抜粋)
(6) 「大勉強会」in神戸
木の家 耐震改修会議 − 大阪府木材連合会が「壁柱」出展
"木の家"耐震改修会議主催の「大勉強会in神戸」が阪神大震災から16年目の1月17日、神戸国際会議場に1,003名が参加して開かれ、「16年目の千人宣言」が採択されました。
(2011年2月5日 東洋木材新聞記事から抜粋)
(7) 「バブル後世代」の住行動を探る − 買い時考えて動く
35%が親の資金援助で
強い持家志向 気遣いない暮らし望む
住環境研究所が今後の住宅建設の中心となる「バブル後世代(2010年時点で27から31歳)」を対象にアンケート調査を実施しました。
「バブル後世代」の特性は
(ア) 「団塊ジュニア世代より強いも強い持家に対する意欲。」
「絶対に持家を取得したい」は46%で、団塊ジュニア世代より3ポイント高くなっている。
持家志向の理由は、「ローン終了後の住居費負担が少ない」
戸建志向の理由は、「上下階の世帯に対する気遣いのない生活」
逆に、「外観や間取りが自由」「ペット・ガーデニング」「部屋数や居室の広さ」といった戸建住宅の夢や憧れを表す項目はポイントが低いようです。
(イ) 「判断は現実的で、検討の幅を広げない」
建築・購入のきっかけは「今が買い時」が最大理由。
展示場の見学数もバブル後世代は平均4.7社で、他の世代よりも少ない。
展示場に行く前にインターネットで検討。
業者選びは、検討の幅を広げずにマイホームを取得。
(ウ) 「35%が資金援助あり、平均908万円」
団塊ジュニア世代より約180万円多くなっています。
資金援助を受けた人に限定すると平均908万円。
資金援助なしの人を含んだ平均値は310万円です。
各世代の持家志向の理由としては、
「自分の資産になる」
「マイホームを手にする満足感」
「老後の住まいに不安がなくなる」
「バブル後世代」の業者選定理由のトップは、「価格」。
反面、「居住性能」や「施工の品質」は他の世代に比べて低いようです。
一方、「営業担当者の対応」や「親戚知人の紹介」も重きを置く傾向もあります。
(2011年2月9日 林業新聞社記事より抜粋)
(8) 持家は14ヶ月連続の増 − 12月新設住宅着工戸数
2010年は81万3千戸台
12月の新設住宅着工戸数は74,517戸で、前年同月比7.5%増です。
リーマンショック以来、ほぼ2年ぶりの高水準ですが、2008年12月の水準比では9.3%減になります。
2010年の着工数は813,126戸で、前年比3.1%増加しました。
持家が増えて貸し家が減りました。空家率は上昇しています。
マンションは2割弱の増加ですが、水準は昨年に次ぐ過去2番目の低水準です。
12月は持家、分譲が増加しましたが、貸し家は3ヶ月連続で減少しました。
マンションは64,5%増ですが、依然低水準です。
戸建分譲は12ヶ月連続で増加しています。首都圏や中部圏といった首都圏での回復が目立ちます。
近畿では、2府4県ともに対前年同月比で増加しています。
京都41.6%、滋賀36.5%、和歌山31.6%、大阪13.6%、奈良13.2%、兵庫9.1%の増加です。
東京は24.0%の増加、愛知は1.9%の減少でした。
(2011年2月9日 林業新聞社記事より抜粋)
(9) 「JAS製材」確認 − 国が発注する木造建築物
国土交通省で検討が行なわれている「木造計画・設計基準」(仮称)の検討委員会で、国が発注する木造建築物については、製材品は原則JAS構造用製材を使用すること。また、4号建築物でも原則許容応力度計算を必要とするなどを確認しました。
(2011年2月16日 林業新聞社記事より抜粋)
(10) 合板上振れ − 南洋材合板は安値払拭
国産材 針葉樹も値上がりへ
年明けからジリ高気配があった内外国産合板が強含んでいます。
輸入品は産地価格が急騰して国内市況が一気に引き締まって、現物確保の高値買いで値上がりです。
国産材針葉樹合板もメーカーの値上げ気配と納期遅れで仮需的に荷が動いて、価格は上振れしています。
輸入南洋材合板は、原木不足からマレーシア最大手が型枠や構造用など12ミリ厚系の大幅な値上げをしました。
その後、国内市況は先高気配が濃厚となって、流通在庫を拾う現物確保の動きが加速しました。
国産針葉樹合板も値上がりで、原木高と集材難もあって製品価格の底上げは必至です。また、2月に入って納期遅れが目立っています。
世界的な資源高の影響が森林資源にも及びつつあり、石油高による接着剤の高騰など副資材にも資源高が押し寄せている現状から、建材市況の牽引役である合板相場は当分の間、上振れ局面で推移しそうです。
(2011年2月16日 林業新聞社記事より抜粋)
(11) 耐震診断結果 − 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査結果
旧耐震といわれる昭和55年以前の建物の96%が耐震性に問題ありという結果になりました。
また、旧耐震の建物は、最も危険度の高い評点「0.7未満:倒壊する可能性が高い」の割合が80%となっており、早急な対応が必要だと思われます。
新耐震といわれる昭和56年以降の建物でも82%で耐震性の問題ありという結果になり、単純に新耐震だからという理由で安心とはいえない結果となりました。
(2011年2月16日 林業新聞社記事より抜粋)
(12) ロシア材は最下位 − 2010年主要木材輸入量
総量は4年ぶりに増加 製品比率急上昇し7割に
欧州材は低迷から脱出
2010年の主要木材輸入量は資材需要の回復や2009年の在庫調整による反動などで回復しました。
アメリカ・カナダ材や欧州材、合板、構造用集成材などの伸びが堅調だった一方で、丸太輸出税率でコスト高のロシア丸太は南洋丸太を下回り、主要輸入丸太の最下位に転落しました。
2010年の主要木材輸入量は1489万m3で、前年比13.2%増と4年ぶりに増加に転じました。
製品比率は69%に達し、2001年の52%から17ポイント近く上昇しています。
北米材の安定した供給が目立っています。アメリカ産丸太は5年連続の減少ですが、カナダ産は前年比63%の大幅な増加でした。
欧州材の伸び率は前年比12%と平均的な伸びにとどまりました。
ロシア材の丸太は2006年水準の10分の1以下に縮小しました。
(2011年2月23日 林業新聞社記事より抜粋)
(13) 戸数は5期連続で増 − 住宅生産団体連合会景況感
2011年度85万7千戸予測
住宅生産団体連合会が、会員のハウスメーカー経営者に実施した景況感調査では、昨年10〜12月の集客数は前年同期を上回っています。
戸数の増加傾向は継続、受注金額は増加幅が拡大しています。
(2011年2月23日 林業新聞社記事より抜粋)
|